鈴木颯人

こんな方におすすめの記事です

●部下を目標達成に導くことができる上司・指導者になり、その成果や喜びを分かち合いたい方

●セルフコーチングを学ぶことで限界を超え、自分の期待を超える成果を出したい方

●子供の可能性を引き出すサポートをして、夢を叶える楽しさを子供に伝えたい方

●自分を追い込むネガティブ思考をやめ、トップアスリート並みのマインドを持ちたい方

 

鈴木颯人さんインタビュー(youtube音声版)

 

スポーツメンタルコーチ 鈴木颯人

鈴木颯人

山倉陽平山倉:本日のゲストは三笠書房から一流を目指すメンタル術を出版されました鈴木颯人さんです。

スポーツメンタルコーチとしてご活躍されており、プロ野球選手・全日本チャンピオン・オリンピック選手などトップアスリートから部活動で悩む学生さんまでをサポートしていらっしゃいます。年間の指導人数は1000人を超え、鈴木さんのコーチングにより、パフォーマンスが劇的に向上する選手が続出中です。
スポーツ界では既にご存知の方も多い鈴木さんなのですが、あらためて自己紹介をお願いできますでしょうか。

鈴木颯人

スポーツメンタルコーチ 鈴木颯人さん(以下 鈴木):スポーツメンタルコーチの鈴木と申します。年間でだいたい1000人くらいのトップアスリートとお会いしています。セミナーとかでもお会いしていて、その人たちの、パフォーマンスを高めて、彼らの望む結果に導いていくってことを、コーチングっていう手法を使ってやってます。その中でも結構、本にも色々書いているんですけど、脳科学とか心理学とかなるべくエビデンスに沿ったことをですね、お伝えするようにしています。

山倉:1000人もお会いしているんですか!すごいですね。私も本を読ませていただいたんですけれど、もちろんすごく面白かったんですけど、ぼくはちょっと悔しいなと思ったんですよ。というのは、僕も学生時代にけっこう真剣にバスケットをしていて、その時にこの本をみたかったです。

鈴木:結構言われます。そういうこと(笑)

山倉:僕が高校生の時とかは、まだコーチングとか自分のマインドがどうっていう話が全然なかった気がします。きっともっと早く鈴木さんの本に出会えていれば、ちょっと結果も違ったのかな。なんて思っちゃうくらいすごく実用的で身になる内容が書かれているなと思いました。

—-この本のターゲットは?

山倉:まずお聞きしたいのがこの本の位置付けというか、ターゲットはどんな人になるのかってことだと思うんですね。もちろんアスリートのコーチングをしているということなんですけれども、この本を鈴木さんが読んでいただきたいのはやはりアスリートの方ですか?

鈴木:そうですね、本当にアスリートに特化した内容になっていまして。僕自身コーチングもアスリート一本でやってるんですね。アスリートだけじゃなくて、そこにプラスしてアスリートを支える側の人にも読んでもらえるような仕組みになるといいかなと。この本は、(小学生〜高校生の)お父さんお母さんで結構手に取る方が多いんですけれども、それを娘さんとか息子さんに手渡して、コミュニケーションツールの一つになってくれたらいいな、ということは編集の人にはすごく言いましたね。

山倉:お父さんお母さんが、スポーツやられてる娘さん息子さんに手渡すことを一つの目的としているということなんですね。その意図はどんなところにあるんでしょうか。

鈴木:結構親御さんから「うちの子供を見てくれ」っていう相談が多いんですよ。ただ、僕の中ですごい感じるのは、「僕が介入してもいいんですけど、僕以上に普段接している時間が長い親御さんの接し方が重要なんです。」ということ。

山倉:そうですよね、お子さんだと一人で生活するわけではないですもんね。

鈴木:そう考えると、僕に預けるよりも実は親御さんが変わることが一番早い。

山倉:じゃあ、鈴木さんの代わりに身近にいるお父さんお母さんが、コーチング的な言葉をかけてあげたりするのもすごく有効だっていうことですか?

鈴木:そうなんですよね。親御さんがまずメンタルをしっかりと理解してもらうことは大事ですね。

 

メンタル“強化法”ではなく、“育成法”

育成
鈴木颯人鈴木:本にも「育成法」って書いてあるんですけど、最初「強化法」って言われていたんですよ。

「これはもう強化でなくて育成なんです」って言って、変更してもらいました。

 

 

山倉陽平山倉:強化ではなく育成。

強化と育成の言葉の違いというのはどんなところですか?

 

 

鈴木:要は「誰でもメンタルを強くしていけるっていうものではなくて、誰にでもメンタルは育てていけるものなんですよ」っていう概念でやりたいって言ったんですよ。

山倉:確かに強くするってなると、「ガツガツいける人間にならなきゃいけない」みたいなイメージはありますけど、そうではないということなんですね。

鈴木:そうですね。緑と一緒で、ちゃんと水とか栄養とか光を与えてあげることができれば、緑は勝手に育つじゃないですか。そういう形でちゃんと自分の心とも向き合えたら、自然と育ちますよね。

山倉:確かに。無理やり叩いて強くするとかではなくて、必要なものを与えることによって、自分自身が育っていける力を養ってほしいということなんですね。

鈴木:そういう意味で、親御さんが手にして息子さん娘さんに手渡してもらう。ある意味「これ読むといいよ」って言ってもらえるツールであるといいな、っていうのはすごい感じましたね。

山倉:そうですね。親御さんの方が一緒にいる時間が長いので、そこから受ける影響っていうのもやっぱり大きいですよね。

鈴木:だから、「これを読んで強くなりなさい」だと息子さん娘さんのメンタルを親御さんが投げやりにしているような感じじゃないですか。これを読んでいく中で、二人三脚で息子さん娘さんのメンタルを育てていけるという感覚にはなると思うんですよね。

山倉:こんな風にすればお子さんたちが成長していくんだなという道筋が、この本を読むとわかりますよね。

鈴木:そうですね、結構そういう話はいただいていて。ほんとにいい本になったんだな、と思います。

山倉:確かにアスリート本人の方だけでなくその周辺にいる、サポートする方々にも読んでいただきたいような本ですね。

 

スポーツメンタルコーチの仕事とは?

(※写真:Re-Departure  鈴木颯人オフィシャルサイトより)

http://re-departure.com/profile.aspx

 

山倉陽平山倉:「スポーツメンタルコーチ」というのはまだ一般的ではなくて、鈴木さん独自のものなのかなと思うんですけれども。例えばこんなことを具体的にしますとか、こんな仕事ですっていうのを簡単にご説明いただくことってできますでしょうか。

 

鈴木颯人

鈴木:そうですね。コーチングっていろんな概念があるんですけれども、僕が考えているコーチングっていうのは、その方が叶えたい夢とか目標に導いていくっていうところになります。特にコーチング、もともとコーチていう言葉からきているんですけれども、もともとの言葉の由来が「馬車」からきているんですよね。

その馬車っていうのが、人とか物を目的地に届けるっていうところから転じて、メンタルコーチっていうのが生まれたんですよ。もともとはイギリスのオックスフォード大学に行きたかった学生が、家庭教師みたいなものをつけたんですよね。その家庭教師の人をコーチって言ったところからが始まりらしいんですよね。

日本に入ってきたコーチングっていうのは、どちらかというとアメリカのコーチングの考えをベースにしているらしいんですけども。僕がやっているコーチングっていうのは、当然目標を達成するために何が必要なのかっていうのを二人で考えていくことなんですが、それだけじゃなくて、例えばオリンピック選手になりたいとかプロ野球選手になりたいと思ってても、心のどっかで、自分には無理かもしれないっていう気持ちを抱く人って絶対いるんですよね。

山倉:そうですね、はい。

鈴木:そのセルフイメージ、自分自身に対するイメージですよね。心理学でいうとビリーフと言ったりしますけども、それを結果にふさわしいセルフイメージに、書き換えるっていうことをします。

山倉:その作業をお手伝いするのがスポーツメンタルコーチってことなんですね。

鈴木:簡単に言えばほとんどの人って例外なくうまくいくと思うんですよ。ただ、例外なくうまくいくんですけども、うまくいかない人は、うまくいかないことを思い込んでいるだけなんですね。「僕はプロ野球スポーツ選手になれない」だとか、「これができない」とかって思い込んでいるだけなんですね。

山倉:そうなんですね。思い込んでしまうと、その通りの自分になっていくわけなんですね。

鈴木:思い込んでいる自分にふさわしい自分になっていこうとしてしまうんですね。なんかうまくいかないと「だって」とか「自分には無理だし」とか。もうあらかじめできない理由を先回りして考えてしまっているみたいなところもあったりするんですね。だから、うまくいく人ってできると思っているからずっと練習するわけですよね。

山倉:あ、確かに。「これやってればできるようになるじゃん」って思うから素振りをしてみたりシュートを打ってみたりするということなるんですね。

—-プロになるのは当たり前、夢はその先にある

鈴木:プロ野球選手になりたいって言ってる人は、だいたい「プロ野球選手になるのは当たり前」っていう前提になってるわけなんですよね。もうなることが当然。で、その先を見ているわけですよ。「プロ野球選手になってから、こういうことする」っていうことを、もうプロ野球選手になる前から考えていることが多いわけですよね。

山倉:夢はプロ野球選手になるもっと先にあるってことなんですね。

鈴木:だから「プロ野球選手になりたいんです」って言われた時に、「じゃあ二軍でもいいんですか」って聞くんですよ。「給料もらえなくてもいいですか」とか、「育成でもいいですか」とか(笑)

山倉:笑。確かに目標がもっと先に先にあって、欲しいものが出てきたりしますね。

鈴木:そうなんですよ。やっぱりそういうところがなかなか人ってできないんですよね。それをサポートしてあげたりしてます。

山倉:自分を書き換えることをサポートしていきながら、選手と伴走するみたいなイメージですね。

 

コーチングをした選手の圧倒的な実績

選手の実績

山倉陽平山倉:僕がこの本を魅力的だなと感じたのは、圧倒的な事例と実績が詰まっていることです。いわゆる脳科学とか心理学を元に書いた「思い込みの蓋の外し方」じゃなくて、それでコーチングしたアスリートたちが結果を出てるってところがすごいなと。理論だけじゃなく、それを裏付けする実績があるからこそ、読み込めるものだなと思いました。

なぜこの実績が出せているのか、あえてお聞きするとしたら、どのようなポイントがありますでしょうか?

 

鈴木颯人鈴木:まずはこの本に出ていただいているアスリートの人に、この場を借りてですけど、本当にありがとうございますっと言いたいです。そもそも実名で出てくれること自体がとんでもなくすごいことで。最初はですね、編集の人と話ししていて、「実名は多分無理っすよ」って言ってたんですよ僕。

 

山倉:そうですよね。アスリートの方が「自分がサポートを受けている」って、言いにくいところもありますし。教えたくない部分もきっとあるでしょうし。

鈴木:ほんと、その通りで。僕もやっぱり信頼関係を大切にしていたので、あんまりそこに強く言えなかったです。編集の人には「聞くけども、保証はしませんよ、いいですか」みたいな。

で、選手たちにちょっと聞いたんですよ。「実は本を出そうと思ってて。もしよかったら、出てもらえませんか」って言ったら結構みんな「いいですよ」って言ってくれるんですよ。話した時には「断ってもいいですからね」って言ったんですけど。

僕はどっちかって言うと、選手を守りたかった側の人間なんで。実名で出すなんて、信じられないって思ってたんですよ。ただ、編集の人が「やっぱりこれは実名で出さないとダメですよ」って。「じゃあちょっと、Nさん(編集担当者)手紙書いてくださいって」言って(笑)

山倉:ははは、選手の方に向けての手紙を。

鈴木:Nさんに「ワープロでいいですか」って言われて、「手書きでいいですか」って伝えました。

山倉:そこは大事ですね。気持ちが伝わりますもんね。

鈴木:そこで僕も選手たちに手渡しで手紙持っていって。それで「いいですよ」って話になったんです。出版した時には、また選手たちが自分たちで宣伝してくれるんですよ。

もう本当に、思い込みの蓋が外れましたよ。

山倉:「出てくれないだろう」という思い込みの蓋が?

鈴木:そうそうそう。逆だったんですよね、出たい子が多かった。

—-信頼関係が最も重要

山倉:それも普段の信頼関係というか、「これだけ鈴木さんに与えてもらったから、私も何か返したい」みたいな思いが選手のみなさんの中にあって、この本の中にそれが詰まっているって感じなんでしょうね。

鈴木:そうですね。まあ、そう思いたいです。本当に僕が大切にしてるのは、信頼関係で。心理学系の本を読むと、クライアントさんの効果が出るかどうかって、40%が信頼関係で変わるって書いてあったんですよ。まあ、そうだよな、とか思いながら読んでました。

山倉:「この人信頼していいな」と思わないと、何を言われても聞く耳持たないですもんね。

鈴木:僕、うつ病になったことがあって。2011年かな、心療内科に通ったことがあって。その時に診てもらった先生が、めっちゃ疲れてるんですよね。で、「もうこの人に診てもらってもよくなんねえな」って。信頼できなかったんですよ。

そういう経験を通じて、やっぱアスリートから信頼されたいな、と思いました。メンタルトレーナーとか、メンタルコーチとか、少しは前は「ちょっと怪しい」っていうのが先行してたんで、なかなか手が出せなかったんですけど。

だから、信頼されたいなって。信頼されるにふさわしい人をとにかく心がけようと思っていたから、今があるのかなとは思います。

山倉:いかにアスリートの方々と信頼関係を作っていくかっていうのは重要なポイントであり、実績が出た一つの重要な項目だったりするんですかね?

鈴木:本当にそれしかないんじゃないかなっていうくらいの気持ちでやってますけども。当然、自分の知識を高めることは、プロだと思ってやってるのでそこはもう怠らずに。本当に常に謙虚に細々といきたいなって気持ちでやってますね。

山倉:謙虚にとおっしゃっていますが、実績はとんでもないものです。確かに今、鈴木さんを目の前にして、すごく優しい感じで、包まれるようなあったかさがあるなあ、という印象がありますね。

 

なぜスポーツメンタルコーチを目指したのか

コーチを目指した理由

山倉陽平

山倉:鈴木さんご自身のことについても聞いていきたいんですけれども。まず、スポーツメンタルコーチというものを目指したきっかけはどんなものでしたでしょうか?

 

 

鈴木颯人鈴木:僕、元々ずっと野球をやってたんですけれども。スポーツ推薦で高校に入学して、その高校も甲子園に出るような強いチームだったんですよ。

結構バリバリにやってたチームで。そこで指導者となかなか噛み合わなかったんですね。で、最後の夏、背番号をもらえるかどうかっていう時に、練習中にミスして。その練習中にミスした僕に対して監督が、「もうお前いらないから出て行け」って本気で言うんですよ。

山倉:一生懸命3年間頑張ってきた子にそれはなかなか酷ですね。

鈴木:あの時はもう背番号が決まってた時なんです。決まってるんだけども、発表がまだというタイミングで。一軍の練習には参加できてたんですよ。でも「お前いらないから出て行け」って言われちゃったんですよ。「ああ、じゃあいらないんだな」と。「俺必要ないんだ」と。

もう完全に意気消沈して。元々メンタル弱いってずっといろんな人に言われてたんですけれども。で、出ていこうと思ったら同じポジション守っていた田中っていう後輩が嬉しい言葉をかけてくれて。「颯人さん、戻ってきてください」って。「颯人さんがいないとつまんないですよ」って言ってくれました。「いい後輩を持ったな」って思ったんですけど。

で、今その時を思い出してすごく感じるのが、「指導者から言われる言葉で苦しむ選手って多い」ってことですね。

山倉:本気でやってると、監督もけっこう強い言葉になりますよね。

鈴木:昔の人はたぶんそれに耐性があるんですよ。耐性というか、耐えられる気持ちですよね。でも現代の人たちって、そうじゃない。どちらかっていうと昔よりも一人に対する子育てにかかるお金って増えているし、本当に裕福な時代を過ごしてきている中で、メンタルが扱えない子って多いんですよね。で、何がうまくいっていないかいうのが「自分自身との会話」なんですよ。

—-自分との対話「セルフトーク」がうまくいかない

鈴木:簡単にいうと「ああやっぱり自分はダメなんだな」とか「自分じゃうまくいかないよね」とか「やっぱり俺嫌われてるんだ」とか。それをたぶん総称して、ネガティブって言ったりすると思うんですけれども。結局そういう言葉の使い方で自分自身を追い込んでる人ってすごい多いんじゃないかなって。

途中にパイロット目指したりとか、いろいろあったんですけれども、それが原点としてあったんで、アスリート向けにコーチングをやりたいなっていう風に思いました。

 

ある振る舞いを変えて、スポーツ推薦8校

山倉陽平

山倉:年間1000人くらいのアスリートの方にお会いするということなんですけれども。どんな選手も印象深いと思いますが、これまでコーチングをしていて特に記憶に残っている選手やエピソードはありますでしょうか?

 

 

鈴木颯人

鈴木:2016年の8月にお会いしたある中学2年生の野球をやってる男の子の話ですね。中学校・高校野球は、だいたい夏で新チームになるんですね。僕がみていた子っていうのは、中学校で全国にも出る非常に有名なチームに所属してた子なんですよ。1年生の時から一軍の試合に出てたり、将来けっこう期待されてた子だったんです。そんな子だったんですが、僕のとこに来る前に、結果が出なくなっちゃったと。

その原因が指導者の言葉ですよね。それで完全に自信を失っちゃったんです。あとあと聞いた話なんですけど、僕と会う直前まで「もう野球辞めようかな」と思ってたみたいなんです。

山倉:え!?そんなところまで追い込まれてしまってたんですか。

鈴木:その子が僕のコーチングをスカイプで受けることになったんです。彼は東京から300kmくらい離れた場所に住んでいる子だったんで、通いは無理で。学校とかチームの練習もあるから、月曜の18時以降くらいにコーチングをやりました。その最初の1ヶ月で2軍から1軍に上がれたんですよ。

「おー、よかったよかった」なんて言って。その時僕は、あんまり彼のバックボーンをあんまり知らなかったんですよね。野球やめるとかも。で、その2ヶ月目に今度は試合に出れるようになったんです。9番とか、下位打線だったんですけど。3ヶ月目の10月ぐらいには主軸で出るようになったんですよ。

山倉:すごいですね、たった3ヶ月で。二軍から一軍に上がって試合に出て、主軸を打つ選手に。

鈴木:さらに花形のショートを守れるようになって。もう本当に彼が望んでいたポジションで、望んでた打順に打てるようになってきたんですよ。

ほんとにすごいなって思ってたんですけど、僕は「ああ、まあそうだよね」っていう感じで見てて。4ヶ月目に何が起きるかっていうと、すごいチームから信頼されるわけですよ。

それからも活躍もして、冬超えて1月入る前ですかね。彼は進学ですよね。高校でも野球やりたいと、プロ野球選手になりたいってことを言ってたんですね。気づいたらですね、やっぱりスポーツ推薦の話をいただけたんですよ。しかもですね、8校から。

山倉:8校!?それはすごいですね。

鈴木:これちょっと異常ですよね。1校か2校からきたらもうそれだけで十分すごい実績ですけど、8校全部甲子園に出るチーム。自分が望んでいた高校からもちゃんとオファーがきたんですよ。

山倉:目標を叶えて、そこに行ける道を自分で掴み取ったということなんですね。

鈴木:そうですね。彼は最初お会いした時っていうのは自信ないって言ってた子なんですけど。でもそんな子も、一度もお会いしてないのにも関わらず、たったスカイプで半年で自分の夢というか結果を引き寄せて全国大会に出て、今年の4月から高校にいくことになりました。

山倉:とんでもない進化というか、まあそれこそ成長ですよね。

鈴木:お父さんとその子が、「一度お会いしたい」ってことで去年の夏過ぎにやっとお会いした方なんです。その時に「引退しようと思ってたんですよ、こいつ」って言っていて、「ええーっ」と思いました。

山倉:その選手がたった4ヶ月でそれだけの変わりぶりなんですね。

鈴木:本当に気の持ちようといいますかね。気持ちの持ち方次第で、全然自分の夢って叶うんだなあ、と。プロ野球を目指してるわけですけどその先、さらにどうなってくか楽しみだなってとこですかね。

—-その選手に働きかけたのは「振る舞い方」

振る舞いを変えた

山倉:もし差し支えなければ、その時に鈴木さんかけた言葉とか、「こんな接し方をした」っていうことを教えていただきたいです。

鈴木:コーチングだとその思い込みとかを、記憶の認知を変えるってことをやるんですけれども、その時は彼の「もったいないな」ってとこに気づいたんですよ。

山倉:もったいない?

鈴木:振る舞い。

山倉:振る舞い?

鈴木:スカイプで映像を見ているだけで、ある振る舞いが自信なさそうに見えちゃっただけなんですよ。もしかしたら指導者ってそういうところで彼を判断してたんじゃないかなって。

山倉:何かしらその選手の振る舞いから「ああ、こいつ自信ないな」って監督が感じてしまった可能性があるってことですね。

鈴木:それに対して指導者が「お前もっと自信持ってやれ」って言うわけですよね。でも彼はもともと自信があった人間だったんですよ。けども、「もっと自信持ってやれっ」て言ったことによって、彼の中で「あ、俺ってやっぱ自信ないのかな」って思い込みを植え付けられた可能性があるなってことに気づいたんですよ。

その振る舞いっていうのが「彼の異常に多いうなずき」だったんですね。

山倉:頷きが多かった?

鈴木:こういう感じなんですよ。(小刻みに縦に頷く)

山倉:何度も首を縦に振って話を聞いているっていう。鈴木さんにやっていただいてますけど、なんかちょっと自信なさそうな雰囲気が見えますね。

鈴木:ぴよぴよしてるっていうか。簡単に言うと。

「もしかしたらこれが原因かもしれない」と思って。その時に「ちょっと普通に喋ってくれる?」っていいながらiPhoneでスカイプ中の画面を動画撮影しました。2、3分撮影した後「今、〇〇くんの動画撮ったんで、申し訳ないんだけどちょっとこの動画見てくれる?」って言って見てもらって。

「あのさ、これみてさどう思う?」って聞いてみると。「んー、なんか変ですね」って言うんです。

山倉:自分でも「何か変だなっと」気付いたわけなんですね。

鈴木:「何が変だと思う?」って聞いてみて。まあ、こういう質問がコーチングかもしれませんね。で、「んー、なんか自信なさそうです」って答えていて。

「おお、そうか!じゃあどうして自信なさそうに見えるの?夢語ってもらってるだけじゃん」って伝えたところ、「なんか頷きが多いんですかね」って自分で気づいてもらったんですよね。

ちょっと誘導っぽかったかもしれないですけど。そこから「あ、そうだよね。実は僕もそう思ってたんだ」って伝えました。その後「ちょっと頷きをゆっくり大きくしてみたらどうかな」って言うアドバイスをしたんですよね。そっからですね、そこからパーンって跳ねた感じです。

山倉:はあ、なるほど。そしたら周りの人もその選手への印象が変わってくるし、自分自身も「それが原因だったのかな」と気づけたら行動も気持ちも変わってくるというところがありますね。

鈴木:そうですね、まあまだ彼にも伝えたことはいっぱいあるんですけど、それがひとつきっかけになった。自分の振る舞いを変えることで、相手が自分に対する思い込みを変えたっていう事例かもしれないですね。

山倉:相手が自分のことをどう思うかも、自分の行動次第で変えることもできるっていうことですね。

鈴木:そうなると相手から掛けられる言葉が変わってくるわけです。先ほどの事例だと「どうしんたんだ最近、自信ついたか?」みたいに。でもただ頷きのの回数を減らして、大きく頷くようにしただけで。それで周りの反応が変わるって面白いですよね。

山倉:メンタル術だから内面を変えるだけではないんですね。振る舞いというのも結構重要なポイントになってきたりするんですね。

鈴木:それはありますよね。当然それをやる前に、メンタル的な部分もやりますけど。結果にふさわしい振る舞いですよね。それをちょっとアドバイスできるだけでも変わるのかな、と思いますね。

 

今すぐ実践できるメンタルコーチング

今すぐできるメンタルコーチング

山倉陽平

山倉:今、なかなか良い結果が出なくて悩んでいる方は、ぜひ鈴木さんにコーチングを依頼するといいなあ、と思うんですけれども。何か、自分でできるメンタルを育てていくための方法といいますか。日頃気にしておいた方がいいこととかってありますか。

 

鈴木颯人

鈴木:僕はよく、車の話をするんですよ。車を運転してるとします。初めて行く場所ってありますよね?そこに行くために、車に乗ったらまず最初に何をしますか?

 

 

山倉:車に乗ったらまずナビを設定して、どうやっていけばいいのかなって調べますね。

鈴木:そうですよね。今はナビがあるんで目的地を入れちゃえば、途中の曲がるポイントなんか勝手に教えてくれるわけじゃないですか。その時にしばらく運転したら、カーナビが調子悪かったっていう経験ってありません?

山倉:けっこうありますね。

鈴木:そんな時どうします?

山倉:なんとなく自分の勘で行ってみたりしちゃいますね。

鈴木:勘で行った後はどうなります?

山倉:着かないですね。(笑)結局また目的地入れ直したり、1回止まって調べ直したりします。

鈴木:それが結構重要で。コーチングの原理で言えば、目的地に導くわけですよね。でもその目的地に導く時に「今いる自分の場所がずれてたらどうでしょうか?」っていう話をするんですよ。

山倉:スタート位置が、そもそもずれてたらたどり着けないですね。

鈴木:そうなんです。メンタルを育成していくためにまず最初にやるべきことはなんですかって言われたら、「まず自分を知ることから始めてください」っていうことを伝えます。

山倉:確かにスタート地点がわからなければ、どこに向かっていいかわからないですもんね。ゴールまでの道筋が立たないです。

鈴木:それをメンタルの言葉に置き換えると「素直になってください」とか。「見栄を張らないでください」とか。

山倉:あんまり自分を大きく見せようとしたり、俺って「〇〇もできる!」って思わなくていいってことですか?

鈴木:そうですね。それをやっちゃうと現実の自分と、心の自分が解離していくと思うんですよ。それって危険な兆候で。けっこうアスリートにはそういう方が多いんです。

メンタル系の勉強をちょっとやってみる子ってだいたい「ポジティブシンキング」を学ぶんですね。『「できない」じゃなくて「できる」って言った方がいいよね』とか、強く見せようとするんですけど、それで苦しむアスリートって結構多いんですよ。

山倉:確かに全員が思い込んで「自分は強い!!」なんてできないですもんね。

鈴木:だからまず最初に、「自分がどういう人間なのか知りましょうね」って。自分がどういうとこで躓くのか、どういう傾向があるのか、自分という人間は周りからどう見えているのか、とか。そういうところ、しっかりと見れるといいんですよね。

山倉:考え方の癖に気づいたり、こんな時上手くいかない状況が多いな、とかっていうのを改めて自分でこう分析してみたりってことが大事なんですね。

鈴木:結構その辺ができる方は少なくて。僕もいろんな自己啓発書とか、アスリートのメンタルの本を何十冊も読んできましたけど、「自分の今いる場所を正確に知りましょう」っていうことはほとんど書いてないんですよ。残念ながらこの本にも書いてないんですけど。(笑)

山倉:ははは(笑)、そこは直接鈴木さんにお聞きして。

鈴木:コーチングを始めるとき、自分の立ち位置・ポジションを、「今どこにいるのか、何を感じているのか」っていうのを明確にしてから、ゴール設定に移っていくんです。

山倉:大きく見せすぎなくても大丈夫だと。そこからがスタートなんですね。

鈴木:すごく自分を大きく見せてる人っているじゃないですか、たまに。そういう人を見ると、「本当のこの人ってどんな人なんだろう」って思うんです。

山倉:そうか、逆にですもんね。「本当は気が小さくて、大きく見せてないと不安になってしまうのかな」と鈴木さんには見えていたりしますか?無理してるなっていう感じもわかってしまうわけなんですね。

鈴木:まあそれが無理なのか、本当にその通りに生きているのかっていうところですよね。

 

自分で自分の夢を否定しないで

夢を諦めないで

山倉陽平

山倉:いよいよインタビューも終盤になってきました。今、この音声を聞いていただいている方、アスリートの方々に、メッセージをお願いします。

 

 

鈴木颯人

鈴木:「本当に可能性はめちゃくちゃあるんですよ」ってことですね。しかも「自分で自分の夢を否定しないでね」ってことですかね。

サインを書かせていただくことがあって、そこにいつも書くのが、「If you can dream, you can do it.」ディズニーランドを作ったウォルト・ディズニーさんの言葉をお借りしているんですけれども。僕は本当にその通りだと思っていて。

「もしあなたが夢を描くことができたら、それは必ず実現できるよ」って意味なんですね。まず何が先かといったら、「できると信じる」ことが先ではなく「夢を描く」ことが先で、描けた瞬間にもうそれは叶うんだよってことですよね。

それが、できるかできないかっていうのはやってみなきゃわからないところなんですけども、とにかく夢を描く。最高の未来を描くところからがスタートであり、それを描けているんであれば、もうできますよっていうこと。それを信じていただければいいかなと思います。

山倉:ありがとうございます。実は僕もさっきサインとその言葉を頂いたんで、それを大事にしていきたいなと。

鈴木:人の言葉ですけどね(笑)

山倉:(笑)ありがとうございました。本日のゲストは三笠書房から一流を目指すメンタル術を出版されました鈴木さん、鈴木颯人さんでした。

 

このインタビューのまとめ

●スポーツメンタルコーチ 鈴木颯人さんへのインタビュー

●メンタルは強化するのではなく、必要なものを与えて育てる

●振る舞いを変えることで、周囲からの見え方も変わる

●メンタル育成の第一歩は「現在地を知ること」

●夢を描くことができたら、夢は実現できる

 

鈴木 颯人さんプロフィール

鈴木 颯人
Re-Departure 合同会社代表

スポーツメンタルコーチ

【実績】

1983年、イギリス生まれの東京育ち。中学までは野球チームのピッチャーとして活躍し、強豪校にスポーツ推薦で入学するものの結果を出せず挫折。そうした経験をもとに、脳と心の仕組みを学びながら、勝負所で力を発揮させるメソッドを構築する。野球、サッカー、水泳、柔道、サーフィン、競輪、卓球など、競技・プロアマ・有名無名を問わず、そのコーチングによってパフォーマンスを激変させるアスリートが続出中。

著書:「一流を目指すメンタル術」より

 

【メディア】
・鈴木颯人オフィシャルサイト

・Facebook

・Twitter
フォロワー15万人超の人気ツイッター

・Youtube
3分スポーツメンタルコーチング

 

 

書籍 一流をめざすメンタル術

(画像=WEBサイトより、クリックするとamazonに飛びます)

鈴木颯人、知的生きかた文庫、702円

 

 

インタビューを終えて

山倉:鈴木さんの暖かな人柄と謙虚な姿勢。そしてプロとしての高い意識が、選手たちが圧倒的な信頼を寄せる理由だと感じました。書籍の中には世界で活躍するトップアスリートだけでなく、まだまだこれから成長していくであろう競技を始めたばかりの中学生も登場しています。真剣に競技に打ち込めば打ち込むほど、悩みや不安は出てくるものです。そんな時、そっと背中を押してくれる人がいるだけで、アスリートとしての可能性は無限大に広がることを実感しました。決して机上の空論ではない「今すぐ使える実用的なメンタル育成術」が本書には詰まっています。