西尾英樹

こんな方におすすめの記事です

●人材育成システムが整っておらず離職や人材不足に悩んでいるが、それを改善し業績アップに繋げたい方

●人材育成マニュアルを作成することで、「育てる側」も「育てられる側」もストレスなく成長できる仕組みを作りたい方

●部下と信頼関係を築き、「この会社で働いてよかった」と部下も自分自身も感じることができる職場づくりをしたい方

●自分以外のエース人材を育成して自由な時間を作り、趣味を楽しむ、さらなるチャンレンジをする環境を整えたい方

 

西尾英樹さんインタビュー(Youtube音声版)

 

30日で人を育てるプロフェッショナル

山倉陽平

山倉:本日ゲストは、出版社秀和システムから「実践版!30日で人を育てる技術」を出版された、事業戦略コンサルタントで人を育てるプロフェッショナルの西尾英樹さんです。

建設・リフォーム業、コンサル・士業など、「職人業」の「顧客獲得力」を高める専門家です。学生時代はトップアスリートとしてご活躍され、アスリート時代に学んだ「人を育てる技術」を活かして、現在は人材育成のプロフェッショナルとしてご活躍されていらっしゃいます。3ヶ月で売上前年比4倍を達成など、西尾さんのご指導のもと大成功されているクライアントさんが続出しています。

今日はよろしくお願い致します。まずお聞きしたいのが、西尾さんが人を育てる必要性や重要性を感じたきっかけです。なぜ人を育てることを仕事にしていこうと思われたのでしょうか?

 

西尾英樹

事業戦略コンサルタント・人材育成プロフェッショナル 西尾英樹さん(以下 西尾)よろしくお願いします。僕が会社の中で人を育てる必要性を感じたのは、入社してすぐのことでした。入社して1ヶ月目には、配属が決まるわけですよね。その配属された時に「人って意識的に育てないと育たないよな」ということを実感しました。

 

山倉:まずご自身が入社された時に、「あれ、教育システムがしっかりしてないな」っと感じられたんですね。

西尾:そうなんです。大手の建設業だと見た目は華やかで、経営の基盤が整っているように見えるんだけれども、実際蓋を開けてみると「人を育てる」というプランがなくて。どちらかというと“先輩の背中を見て覚えろ”という世界なんですよね。

僕も新人の頃「とりあえず明日、現場について行ってくれ」という指示を受けて、行くわけですよ。それで朝から職人さん達と集合して、現場に行くんです。それで最初はただ「後ろで見てろ」と。それしか言われないんですね。何か役割を与えられるわけでもなく、ただ後ろで見てるだけ。それが何日か続いていました。

その時、やっぱり教わっている側としては、「この先自分がどういう風に成長できるのか」というプランが見えなかった。一緒に入社した同期も同じ環境に苦しんでいました。3ヶ月でやめていってしまう人も出てくるわけなんです。

山倉:それは大変な現場ですね。

西尾:私が「3ない」と呼んでいる「教えてくれない」「優しくない」「マニュアルがない」という環境でした。結局、新卒採用が上手くいって良い人材をとったところで、「内部の環境がこれだったら人って育たないよな」「1年も持たずに辞めてしまうよな」と思ったんですよ。

山倉:もう入社してすぐの時点で危機感は感じていらっしゃったんですね。

西尾:来年入ってくる新卒の後輩が、自分と同じような状態になるのは嫌だなって思ったので、僕は入社の1ヶ月目の時から、『自分の仕事を後輩に引き継ぐ時に何ができるか』と考えました。その時から自分で教育マニュアルを作り始めました。

山倉:それでは「会社の教育システムを作ろう」という出発点ではなく、「自分と同じような苦しい思いを後輩にはさせないために」というところから、教えることをシステム化できる独自の教育マニュアルを作り始めたんですね

西尾:その当時、自分自身が混乱してしまったんですよね。「何を覚えたらいいんだろう」「どう動いたらいいんだろう」と何もわからなかったんです。それが余計なストレスになってしまって。そういうストレスを後輩にはかけたくない。そこが人を育てる必要性を感じた原点かなって思います。

 

「人を育てる」マニュアルの作り方

マニュアル

山倉陽平山倉:人を育てるマニュアル作りとなると、とても大変な作業だと感じます。まずどんなところから取り組まれたんでしょうか?

 

 

西尾英樹西尾:先輩に何か質問をした時にポロポロと教えてくれたことをひたすらメモしていきましたね。あとは僕みたいに文系卒で建設業界に入った人は専門用語を何も知らないわけなんです。ということは現場にある部材1つわからない状態なので、先輩に1つ1つ聞いて用語集を作ったりとか。現場での動き方、作業のやり方、というものを分解して資料を作り始めました。

 

山倉:それはすごいですね。なかなか先が見えない大変な作業になりますよね。それをコツコツ積み上げていって、作成されたということなんですね。

西尾:そうでしたね。初めは「建設業界で人を育てるノウハウってあるのかな」と思って、本屋さんにも行ってみたんですよ。でもそんな本はどこにもなくて。「じゃあ自分でやるしかない」そんな感覚でしたね。

山倉:入社1ヶ月目から取り組まれて、形になってきたのはどれくらい経ってからでしたか?

西尾:僕の中で手応えを感じ始めて、「これをさらに進化させたらちゃんと使えそうだ」と思えるようになったのは、25、26歳の時でしたね。

山倉:3、4年の年月をかけて蓄積されたノウハウが詰まっているわけなんですね。

 

—-マニュアル作りで意識したこと

西尾:まず意識したことは「自分が一端の職人にならなくてはいけない」ということ。教える側の人間になるためには中途半端な知識ではいけない。自分自身が職人として、同僚や現場の人間に認められて始めて、耳を傾けてくれるようになると思います。やっぱりまずは自分が徹底的に現場の仕事を覚えて、誰よりも仕事がこなせるようになる。その感覚を言葉にしようと思っていました。

山倉:まず教える側の立場として、周りの信頼を得ていることだったり、自分の言葉に耳を傾けてくれる状況を作り出すことが重要なポイントになってくるんですね。

西尾:その他に、僕が新人の時に思ったのは、「腕のある職人さんが、自分の技術を伝えることができていなかった」ということ。「見て覚えて」ということでしか、技術を伝えられていなかった。だから自分が腕の良い職人になった時に、ちゃんと言語化して伝えようと感じていました。

山倉:言語化することによって、これまでより育成することが難しくなくなりますね。さらにどんどんその技術が継承されていきますから、会社の資産にもなりますね。

 

30日で人を育てるメソッドの成果

人材育成の成果

山倉陽平山倉:この「30日で人を育てる技術」という本はビジネス書としては、なかなか分厚くてボリュームがあります。ただとても読みやすいんです。そしてなぜボリュームがあるかというと、人を育てるための30日分のワークシートがついているからなんですよね。1日1つワークシートをやっていくことで30日で人が育つメソッドが組み込まれています。

西尾さんはコンサルタントやセミナー講師として、実際にこの30日間のメソッドを使って、たくさんの方を育成されているかと思います。会社員時代も含めてこれまで育成されてきた中で、変化や成果があったエピソードを教えてください。

西尾英樹西尾:1番すぐに頭に浮かんでくるのは、僕が28歳くらいの頃に関わっていた方たちのことです。その方たちは東京本社ではなくて、地方の拠点にいらっしゃいました。その当時、地方の拠点にいる人達は仕事ができるはずなのに、少しへそを曲げてしまっている人が多かったんです。

なぜかというと、「東京本社が主導で物事が決められていて、情報が下りてこない。どうせ地方のオレ達は東京で決められた指示がきて、それに従って動くだけだろう。」という気持ちがあり、若干拗ねている部分がありました。

その他にも、本当はもっと出来るのに受け身になってしまっている人達がいるということが、肌感覚としてありました。

そこで「どうやったらこの人達の本来の力が100%発揮されて、その力を価値のあるものに変えて、東京本社にもその価値を届けられるだろう」ということを考えました。

 

—-何に取り組んだか?

その時に何をしたかというと徹底的に1対1の面談をしていったんです。「なんで今、そういう風に感じているか」を聞きたかったし、「僕があなたをどうしていきたいか」という本音の部分を語り合いたかった。人を変える上で、信頼関係という部分が一番重要だと感じていたので、とにかく面談に時間をかけるようにしていきました。

そうすることによって「西尾の言うことだったら聞いてもいいかな」と思ってくれる方が出てきました。その結果として、元々一般職で働いていた人を拠点の責任者に昇進させてあげることもできたことがありました。

そこで感じたのは、人材育成は教える内容よりも信頼関係が重要で、それがなければ何も成り立たないんだなということでした。会社員の場合は特にそれが当てはまりますね。

山倉:信頼関係が重要なんですね。

 

—-教える内容よりも重要なこと

西尾:もう1つは、「誰も手に負えないからなんとかしてくれ」という依頼があった社員の方も結果的にはリーダーになったということがありました。その方は「しっかりと部下のため、部署のため、事業のために動く」というような考えに変わってくれました。その時にも「重要なのは教える内容じゃないな」と感じたことがあります。

山倉:信頼関係があるからこそ、本音の対話ができる。「この人が自分に期待したり、任せたりしてくれるなら期待に答えたい」と感じ始めるから成長していく、というイメージでしょうか。

西尾:自分の価値が自分自身で感じられていること。会社に期待されて、自分の居場所があると感じられていること。この条件がないと人は本気を出さないんだなっと。これは会社員だけではなく、僕自身が会社を経営している今も強く感じます。

またコンサルタントとして他の会社の社長さんと関わらせていただくときでも、こちら側が「ここまでしかこの人は育たないだろう」と限界を決めてしまうと、やっぱりそのレベルまでしか育たない。なので「今、売上が上がっていない」とか「今、人の育て方が上手くない」とか今の現状だけを見て、その経営者さんの可能性を考えることはしません。僕らが天井を作らず、コンサルティングをしていくことが必要です。

今、全く仕事がとれていない方に対しても細かい指示をするのではなく、まずは信じてあげること。そして「頑張ってください!」と本気で言ってあげられることで、その方の1ヶ月後、3か月後の状況は変わっていくだろうと考えています。

山倉:教える内容も、もちろん大事ですが、それ以上に大切なことは「信じてあげること」「本気で応援してあげること」「教える側が限界を作らないこと」なんですね。

西尾:口だけで「出来ますよ」っていうのではなく、本気で僕が「出来ますよ」って言えているかどうか。それは会社員の時から今でも常に考えていることですね。

 

どうしたら信頼関係を築けるか

信頼関係

山倉陽平山倉:「信頼関係」というキーワードが挙がってきましたが、信頼関係を築くことって簡単じゃないと思ってしまいます。信頼関係を築くためのポイントは何ですか?

 

 

西尾英樹西尾:会社員時代は僕の部署に人が入ってきた時には、必ず3時間くらいを使って1対1の面談をしていました。その時に必ずこう聞いていました。「うちの会社を、君はどう活用する?」「うちの部署をどう活用していきたい?」「西尾という人間をどう活用していきたい?」という質問をするんですよ。だって仕事って手段であって、人生の目的ではないから。

仕事という手段を使って、最終的に君はどうなりたいのか、と。「独立したいのであれば、それはそれで全然いい。仕事というのはそういうものだし、誰にでも職業選択の自由があるから僕はなんとも思わない。僕がやりたいのは、君が『この会社で働いてよかった』っと思ってもらうことだから。それに対して全力の支援をしたいし、夢を達成するために仕事も割り当てを考えていきたいと思ってるから、それを教えて欲しいんだ」と伝える。そこから入っていくことです。

それがない中で「君にはこれをやってもらう」と指示していくのは、何か違うと僕は思ってたんです。

山倉:確かにそんな風に質問してもらえると、すごく「自分って自由にできるんだ。それならこんなこともやってみたい」と夢が広がりますね。しかも信頼されている感じも伝わってきます。その面談はすごく楽しそうですね(笑)。

西尾:そういうところから関係を作っていって、お互いが本音で喋れるようになって、初めて仕事の中身が腑に落ちてくるんじゃないかなって思うんですよね。

山倉:会社目線ではなく、本人目線で話すことがポイントなんですね。

西尾:そうすると本人は仕事や会社に目的が持てるようになるので、主体的になっていく。「自分で未来を手に入れる、自分の人生を手に入れるためにこの仕事を覚えよう」となれば自発性が自然に出てくるんですよ。

モチベーションって作っていくものじゃなくて、相手の心の中に芽生えさせてあげるものだと思います。なのでこのような考え方で、人を育てることをやらせていただいていますね。

山倉:それに気づかせてあげられるように質問を投げ掛けていくんですね。

 

アスリート時代に学んだ「教える3つ極意」

アスリート

山倉陽平山倉:西尾さんの特徴的なプロフィールとして元トップアスリート、競泳で神奈川県1位やジュニアオリンピックに出場などがあるかと思います。本の帯にも「北島康介などのオリンピック選手を生み出した競泳の最強メソッドを、元トップアスリートが企業で実践したら、売上が2倍になった!」と書いてありますが、選手時代に学んだ教えることの極意はありましたか?

 

西尾英樹

西尾:アスリート時代に学んだポイントは3つあります。

①教え方(どういうカリキュラムを組むか)

②選手とコーチの信頼関係

③仲間との絆の3つです。

山倉:これがうまく組み合わさった時に、人は成長していくということなんですね。

西尾:そうですね、どれか1つでも欠けてしまうと成果が出にくいと感じています。

山倉:教える・教わる」となると「教え方」と「選手とコーチの信頼関係」が重要なことはわかるのですが、「仲間との絆」が重要な理由はなんでしょうか?

西尾:やっぱり教わる時期って辛いじゃないですか?初めての環境で、初めての仕事を覚える、知らない人たちが周りにいるという状況って、先輩が考えている以上にストレスを感じるわけです。その時に重要なのが「横のつながり」。

上司と自分との1対1の関係だけでは、職場の居心地の良さって作れないですよ。「私の居場所はここにある」と思えるようにしてあげるためには、必ず横のつながりが必要です。隣にいる人に「わからないことがあったら言ってね!」とか声をかけてもらえるだけで気が楽になります。

それがない殺伐した空気では、いくら教える内容が正しかったとしても居心地が悪くて長続きしない。ちょっと悩んでいるときに気軽に相談できる相手がいなかったら、ストレスを抱えちゃうじゃないですか。それが結果的に離職につながると思ってます。

上司がいないと頑張れない環境じゃなくて、仲間同士で支え合って困った時にすぐに手を差し伸べられる人が周りにいることが重要。そういう人が周りにいるから、自分の居場所が出来上がって、「ずっとここで働きたい」と思える環境が出来上がっていくんじゃないかな。

山倉:そのために横のつながりが非常に重要なんですね。

 

—-経営者にも横のつながりを

西尾:それは経営者でも全く一緒だと思っていて。今、僕が経営者さん向けの塾をやっているのは経営者も孤独であることを知っているから。そこに横のつながりがあった方が長く頑張れる。それは従業員であっても経営者であっても一緒です。仲間のつながりは重要だと考えています。

山倉:仲間とのつながりを強めていくための仕掛け、場づくりの方法はありますか?

西尾:一番意識しているのは「褒める文化」を組織に作ることですね。例えば週例会をやる場合、1人1人に近況を発表してもらって、その人に対しての応援メッセージをカードに書いて渡していく。ということをやったりもします。

もし日報があるのであれば、書いてくれた人に対して応援コメントをしていく。どちらの場合もルールは1つだけ、ポジティブであること。人間ってネガティブなことに目が行きやすいじゃないですか。だからこそポジティブな面だけをみて、声を掛け合うことをしましょう。そうすることで、関係性が良くなっていきます。

山倉:周りの人がどんな風に思ってくれているのかがわかると、相談しやすくなりますね。

西尾:応援してくれる人のことを嫌いにならないじゃないですか。それを意図的に発生させる文化づくりを気にしていますね。

その他には、1人でできる仕事でもわざとチーム制にしたりします。「〇〇さんと△△さんにこの仕事をお願いします。」とすることで、2人がコミュニケーションをとって1つの仕事を進めてもらうようにするとか。

 

教えられる側の視点に立つとなぜ良いのか?

教わる側の視点

山倉陽平山倉:私がこの本を読んで感じたのは「教えられる側への気遣い」です。教える技術となると、教えるためのノウハウや、教える内容をどうしたらいいか、などになるのが一般的だと思います。この本では教えられる側の気持ちや習得度合いなどを考慮して、教えていくことの重要性を伝えてくれているように感じました。教えられる側の視点を持つことも、やはり必要なのでしょうか?

 

西尾英樹西尾:そうですね。教えられる側の視点が必要な理由は2つあります。1つ目のは「教える目的が何か」ということです。教えることの目的は「教えること」ではなくて、教えられる側が育って会社の戦力になることですよね。どれだけ早く育って、どれだけ早く会社に利益を生み出す存在に変わって頂けるか。

そう考えた時に、教える側の都合を押し付けるのは、そもそも間違っているわけですよね。目的は教えることじゃない。教えられた人が1日も早く育って、会社の利益を生み出して、長く会社にいてもらうことです。そう考えた時に、「相手の目線に立つことは基本中の基本」ということになりますよね。

山倉:手段と目的がごちゃごちゃになってしまう場合が多いかもしれませんね。

西尾:教える側の多くの場合、「楽に教えよう」と思うんですよ。その結果、楽に教えると、教えられる側は辛いんですよね。

山倉:教える側が楽していると、教わる側は辛いんですね。教える度に相手の目線になって、丁寧に教えていくことが大事ですね。

 

—-「成長したい」気持ちを育てる

西尾:2つ目のポイントは教わる側のモチベーションに関係してきます。元々モチベーションが高い場合はいいんですよ。例えば師匠と弟子の関係。弟子が「この師匠から絶対に習いたい。」という人だったら、教える側の都合で教えてもついてくると思います。普通の会社の場合、「その会社じゃなきゃだめだ」とか「この上司の元で働きたいんだ」という強い意志で入社している人なんていない訳ですよ。その時点で、上から目線・自己都合で教えて行ってしまうと「他の会社がいい」と思われてしまうんですよね。

要は相手が「育ちたい」という気持ちになってから教えるんだったらいいんです。でもそうなる前に、教える側がどんどん自分の言いたいように、やりたいようにやっていたら、モチベーションが下がって「早く辞めたいな」「お金のためにだけ働こう」となってしまいます。そうなったら育成の目的が達成されません。

そう考えた時に「教える側目線だけじゃダメだな」ということがわかります。

 

マニュアルを作って起こること

成長の再現性

山倉陽平山倉:30日間のメソッド全てが重要なポイントだと思います。あえて「これだけは覚えておいてほしいもの」があれば教えてください。

 

 

西尾英樹西尾:僕が育成する時に1番大事にしていることは「成長の再現性を作る」ことなんですよ。教える側、教わる側のスキルによって、育ち方・育つ期間が変わってしまったら意味がないんです。どんな人材が来ても育つ。どんな人間が教えても、しっかり育つ。ということが企業の成長においては重要だと思うんです。大切にして欲しいのは、再現性があるかどうか。誰がやっても同じ結果が出るかというのが重要なポイントです。

この時マニュアルが必要になります。ただマニュアルというのは「マニュアル人間を育てるため」に作るのではない。マニュアルは、教える側も教わる側も等しく理想的に育つようにするための方針書。むしろマニュアルがなくても動ける人材を育てるために作るものが、マニュアルだと思うんですよ。

プロの方、たくさん仕事の経験をしている方は1つの事象があった時に、すぐに応用を利かせることができるじゃないですか?その人は出来事に対して、頭の中で何を考えて判断をしたのか。それをマニュアル化すればいいんです。

山倉:判断を下すまでの思考の流れをマニュアル化していけばいいんですね。

 

—-一流の思考プロセスをマニュアル化

西尾:一流の人の思考プロセス・判断基準をマニュアル化していくことによって、「考えられる人材」を短期間で育てることができます。目に見える作業・動きだけを文字にするのではなくて、頭の中の要素分解をしっかりとやっていくこと。これが人材育成をする上で1番のキーポイントと考えてます。

山倉:単純に作業と結果だけをマニュアルにするのではなくて、その間の思考もマニュアル化すれば応用が利くようになる。それで再現性を作ることができるんですね。

西尾:価値観・判断基準・優先順位、そういったところを可視化することが重要かなと思います。

山倉:そのためにはやはり一流の方々に「なぜその判断をしたのですか?」「なぜそれをやっているんですか?」とヒアリングしていくことが必要ですか?

西尾:そうですね。「その場面で何を考えたのか」をマニュアルを作る側が把握をするためにヒアリングをしなくてはいけないし、言葉にしてもらわなくてはいけない。

 

スーパープレイヤー必見の1冊

オススメの1冊

山倉陽平山倉:教える・育てる立場にいる方には本当に読んで欲しい本だと思います。その中でも、特にどのような方にオススメしたい本でしょうか?

 

 

西尾英樹西尾:僕としてはやはり管理職・経営者の方に読んでもらいたいです。管理職・経営者の方って悶々としていると思うんです。こんな風に育てたい・こんな人材になって欲しいというビジョンがなんとなく頭の中にあるんだけれど、それを口頭で伝えることができていない方。

他には自分がスーパープレーヤーになっていて、自分がいないと組織が動いていかないと感じている方に見て欲しいですね。スーパープレーヤーの自分の思考を、ちゃんと分解してマニュアル化すれば人は育つ。自分がそれほど動き続けなくても会社が育つ。そういう組織を作っていって欲しいです。

そこで生まれた新しい時間や余力を使って、自分自身がさらにプレーヤーとして上を目指す。それをまた教えていく。そういう好循環を作って欲しい。自分に仕事やスキルが集中している状態になっている人にこそ見ていただきたいという風に思っています。

山倉:自分自身の思考を整理して、言葉で伝えられるように30日間のメソッドを活用していただきたいですね。

 

「信じてあげることが全て」

信じることが全て

山倉陽平山倉:いよいよ最後の質問です。今、人を育てることに悩んでいる方々、これを聞いてくださっている方々にメッセージをお願いします。

 

 

西尾英樹西尾:人を育てる時には「信じてあげること」が全てだと思います。心理学でも「ピグマリオン効果」「プラシーボ効果」と言われている通り、信じた通りにしか人は育たない。仮に教えている相手が、期待したように今は成長していなくても、「今日はよく出来たね!」と少し嘘でもいいから褒めてあげると相手の感じ方って大きく変わります。そういうことを積み重ねることで、部下や同僚、周りで働いている人がもっと仕事を楽しくできるようになる。その会社でもっと自分を成長させようと思えるようになると考えています。

僕が目指しているのは仕事を労役としないこと。仕事を労役とすることは1番辛いことだと思います。お金のために働くという事ほど、つまらないものはないんじゃないかなと思います。もちろんお金のために皆さん働くんですけれども、それにプラスして「ここで働きたい!」「この仕事をやっていて楽しい」と思えたら、人生楽しくなると思うんですよ。

—-仕事をしている大人がイキイキしている社会を

大人の人生の1/3は仕事なわけですから。その1/3がつまらない状態で進んでいく残り40年と、その仕事が本当に楽しいと思える残り40年。どっちがいいかと考えたら答えは明確ですよね。だからこそこの教える側の人にも仕事を楽しんで欲しいんです。教える側がつまらなそうだったら、教えられる側が楽しめるわけがないから。どちらも楽しむこと。楽しいという感情をどうやったら、教えられる側に伝えることができるか。仕事を楽しむことをみんなで作り上げることによって、「仕事をしている大人がイキイキしている社会」を皆さんと作っていけたらいいなと思っています。

 

西尾 英樹さんプロフィール

西尾英樹
株式会社プレジャーデサイン 代表取締役社長

事業戦略コンサルタント
「職人業」の「顧客獲得力」を高める専門家

【実績】
建設・リフォーム業、美容・健康業、コンサル・士業など、「職人業」の「顧客獲得力」を高める専門家。学生時代は競泳のトップアスリートとして、ジュニアオリンピックや日本選手権に出場。大学時代は選手兼コーチとして、後輩の指導も行う。 卒業後には、業界大手の建設会社に就職。28歳で全国の現場責任者となったが、スタッフの指導育成で苦しむことに。そこで、アスリート時代の育成スキルを応用した結果、事業の売上が2倍、業界トップシェアを獲得。 この経験を活かし、コンサルタントとして独立。支援したクライアントが3ヵ月で前年比4倍の売上など、成功事例を多数輩出している。

 

【メディア】
・株式会社プレジャーデサイン ホームページ

・Facebook

・志師塾
先生業が顧客獲得・独立起業を学ぶ業界No.1スクール。

 

 

書籍 実践30日で人を「育てる」技術

実践版30日で人を育てる技術

(画像=WEBサイトより、クリックするとamazonに飛びます)

著者:西尾 英樹 秀和システム 1620円

 

起業家・ベンチャーの価値(ウデ)を、価値(カタチ)に変える会社

株式会社プレジャーデザイン/代表取締役社長 西尾英樹

http://pled.jp/

 

インタビューを終えて

山倉陽平山倉「西尾さんのような上司がいたら、働くことが楽しいだろうな!」というのがインタビュー直後の感想です。一方的に押し付けられる指導的な教育ではなく、あくまで主役は教わる側の人。教わる側が望む将来のために必要なことを教えていくというスタンスは、誰もが魅力的に感じる指導者の姿のように思いました。

本書の内容もただ「教えることのノウハウ」や「人材育成の重要性」を知れるのではなく、良い人間関係・信頼関係の上に「教える」ことが存在しているというのがよく分かるもの。「教えること」についての新たな視点を持つことで、自分自身の未来も大きく変わっていくはずです。