この記事に書かれていること
●1ヶ月の練習で、1晩で1冊の知識が身に付く宮口式記憶術とは?
●東大トップレベルの問題解決4ステップとは?
●資格試験に役立つ「学ぶべきポイント」の絞り方
●非常識な読書術!「本は絶対に全部読んではいけない」理由とは?
●孫正義社長から直接学んだ「孫社長と普通の人の1番の違い」
宮口公寿さんインタビュー(Youtube版)
1晩で1冊の本の知識が身につく宮口式記憶術の開発者 宮口公寿
インタビュアー 山倉陽平(以下、山倉):本日は「1晩で1冊の知識が身につく宮口式記憶術」の開発者 宮口公寿さんです。江戸時代から続く骨董品店に生まれ、家業を継ぐ予定がオイルショックの影響で道を断たれ、急に大学受験をすることに。偏差値41、早稲田・慶応を知らない状態から、偶然出会った記憶術をヒントに独自の記憶術を生み出し、東京大学の薬学部に合格。
学部を主席クラスで卒業。東京大学薬学系研究科修士課程を経て就職し、平成元年に株式会社フューチャーワークスを設立。ITシステムの構築や、メールサーバーやセキュリティに関するコンサルティングをされてきました。
2008年に宮口式記憶術を公開し、現在は個別指導を中心に宮口式記憶術を受験生や社会人・経営者の方々に教えられています。
宮口式記憶術 宮口公寿さん(以下、宮口):宮口です。ご紹介にありましたように、実家が骨董品屋を経営していて、儲かっていました。いわゆるお金持ちのボンボンです。将来は「家の仕事を継げばいいかな」と思っていましたが、オイルショック以降収入が1/10になってしまった。
その時に「大人になったら自分で生きなければいけないな」と痛感しました。 その時まで大学受験に関心がなく、「ちょっと勉強したら、慶応や早稲田に入れるだろう。慶応ボーイがかっこよさそうだ。」と思っていました。しかし、受験雑誌を見たところ、慶応や早稲田が私立の中で、1番偏差値が高いということにそこで気づきました。
山倉: 本当に大学受験には関心がなかったのですね。でもそこから東京大学に入ることができた?
宮口:そこで少し普通の人と違う発想をしました。「どうせやるならダメ元で東大を目指そう。東大を目指せば、早稲田・慶応にも合格できるだろう。」と考えたんですね。でもなかなか成績は上がってこない。さらに受験科目はすごく多い。
そこで「暗記科目の対策をしっかりやりたい」と思い、記憶術に注目しました。今、考えればその当時の記憶術は50%の完成度でしたが、非常に有効で無事に東大に合格しました。
入学後も記憶術を磨き続け、3年生の頃には100%の完成度に到達しました。そこで圧倒的に記憶術に自信がつきました。
山倉:そこで1晩で本が1冊覚えられるようになったのですね。
東大卒業後、孫正義社長との出会いで人生が変わっていく
(参照:https://twitter.com/masason)
宮口:学部卒業後は、東大の大学院薬学系研究科の修士課程を修了して、第一三共という製薬会社に就職しました。ここで薬の研究をしていましたが、大学時代からコンピューターが得意で、副業としてプログラムを作って販売していました。
そんなある時、ご縁がありソフトバンクの孫正義社長にお会いすることができました。 今でも自慢ですが、孫さんの社長室で、1時間程お話をさせていただきました。
山倉:すごいですね、お会いできるなんて。どんなお話をされたのですか?
宮口:孫さんに「 コンピューターが得意なのですが、今は製薬会社の研究員をやっています。すぐにコンピューター業界に入っても、営業などはできません。どうしたらいいでしょうか?」と相談したところ、「明日からソフトバンクに来ればいい」と言ってもらえました。
これは「人生最大のチャンスだ」と思い、製薬会社を止めて、5年程ソフトバンクで働きました。ソフトバンクではスマートフォンのOSなどを作る仕事をしていました。エンジニアの仕事はそれなりに収入もありましたが、恐ろしく忙しかった。
記憶術とは、問題解決のための手法
宮口:エンジニアとして働いていましたが、元々英語が得意だったので、海外のホームページを見ていたところ「私から2万円教材を買えば、インターネットでノウハウを売って5億円稼げますよ」という嘘みたいなオファーが書いてあったんですね。今、考えたら嘘みたいな宣伝文句ですが。
山倉:確かに詐欺っぽいですね。(笑)
宮口: 「2万円だから騙されてもいいや」という気持ちで教材を購入し、アメリカからその本が届きました。 どんなノウハウを売ろうか考えた時、私の中で「記憶術」というものが思い浮かびました。そして販売したところ、最初の年に2億5千万円の売上が上がりました。利益は1億円ぐらい。
売上も嬉しかったですが、記憶術を広めていきたいという思いもありました。「ノウハウの販売を2、3年続ければ、記憶術は世の中に広まっていくだろう」と考えていました。しかし、劇的に成果が出る人もいれば、そうではない人もいた。 なぜ自分ができた記憶術が、他の人には上手くいかないのかを分析して実際に個別に指導したところ、 成果が出ない人には「ある特徴」がありました。
—-記憶術を生かして、何を成し遂げたいのか?
宮口:今でいう「クリティカルシンキング」を全く無視して、闇雲にノウハウだけを追いかけている。 簡単に言うと「とにかく朝から晩まで一緒に勉強すればどうにかなるだろう」と考えて勉強に向かっている状態です。人生は問題解決の連続。うまくいかない人は「自己実現をするために、問題解決のノウハウを学ぶ」という前提に気づいていなかった。
山倉:ただノウハウだけを覚えて、がむしゃらに取り組んでも上手くいかないのですね。
宮口: 戦略的にどうやるかが重要です。今のメインの仕事は、個別指導で記憶術や勉強の仕方を教えることです。さらに究極的には問題解決の手法を教えています。
山倉:ただ知識を頭に詰め込むのではなく、問題解決のために記憶術や勉強方法を学ぶということなんですね。
—-出題者の意図を理解すれば、短時間で資格試験も合格
宮口: 例えば、大学受験の中で最も難しい科目の数学を教える時は、「問題が解けたらそれで終わり」という指導はしていません。問題が解けた後に「ちゃんと出題者の意図は考えた?」という質問をしています。
出題者の意図というのは「どの問題で、点数を取らせるか」「この問題はかなり勉強をした人にしか点数を取らせないようにしよう」ということです。 それは大学受験、資格試験や司法試験なども同じです。その意図を理解した上で勉強すれば、がむしゃらに勉強しなくても驚くほど短時間に成績が上がります。
今、教えている生徒さんで一番期待しているのは、半年前に来られた高校1年生です。入学からわずか半年でセンター試験の数学の勉強が、ほぼ終わりに近づいています。決して毎日、猛勉強していたわけではないんです。 数学の勉強は1時間程度です。
山倉:それで半年で終わるんですか?
宮口:確実に終わります。 しかし私が教えているのは問題解決の手法です。その方にとっては数学の問題が解けることが問題解決ではありません。テストの点数を高く取ることで、人生で何を得たいのかということを考えています。
山倉:宮口式記憶術を学ぶことで、圧倒的に短時間で成果が出せるようになるんですね。
2000年前から存在する記憶術とは一体何なのか?
山倉:宮口式記憶術とは、どのようなものなのでしょうか?
宮口:記憶術というのは2000年前から存在していて、すごく単純なものです。覚えたいものを頭の中でイメージ化(映像化)して、特定の場所と関連付けをすることです。「場所法」「ローマンルーム法」と呼ばれています。そのイメージ化する作業が最初難しいと感じます。
山倉:覚えたいものイメージ化するというのは?
宮口:例えばバナナやリンゴというものはすごくイメージ化しやすいものです。だから覚えていられる。その反対に 「労働関係調整法」とか「余剰資産」というものはすごく抽象的で、イメージ化しにくいですよね。3〜4週間かけて抽象的なものをイメージ化する練習をしていけば、本1冊を数時間で覚えられるようになります。
山倉:「覚えたいものを、自分なりに具体的な映像としてイメージを湧かせる」ということでしょうか。
宮口:そういことですね。覚えたい知識をイメージ化して、頭の中で日常風景に貼り付ける。書籍の中でも紹介していますが、通勤ルートや家の近所の写真を撮っておいて、その写真にイメージ化したものを関連づけ覚えていくのです。
(※詳細は無料メール講座・書籍をご参照ください)
「読んだら、きちんと自分の知識にする方法」明日香出版社
[図解]偏差値41から東大に合格した人の「記憶術」「読書術」「時間術」PHP研究所
記憶術の1stステップは「覚える目的を明らかにすること」
山倉:宮口先生の指導を受けられている方は受験生以外にも、会社員、経営者の方がいると聞きました。これまで指導された方の成果やエピソードを教えていただけますか。
宮口:経営者の方で「自分のビジネスは成功したんだけど、学歴や一般教養がなくて困っている」という方がいらっしゃいました。会合や経団連などで、話す時に困ってしまうということでした。
山倉:その場合も、やはり記憶術を駆使しての一般教養を身につけていくことでしょうか?
宮口:そうですね。ただその場合も「なぜ一般教養身につけるかと」いう目的を明らかにします。
山倉: 目的を明確にしないと、覚えにくくなってしまうのでしょうか。
宮口:覚えにくくなるというより、たくさん覚えすぎてしまうんですね。自分が覚えたいことにポイントを絞って覚えることが、成果を出すためのコツです。話題にならないこと、試験に出ないことを覚えすぎてしまっても意味がありません。
山倉:何か覚えたいと思った場合、その目的を明確にすることが最初のステップになりますか?
宮口:そうですね。話をするときも「相手が何を求めているか」を考えて、話をしなければいけないですよね。ビジネスの場合も同じ。お金をいただくということは、価値の交換です。 「対応する相手が、何を価値だと思っているのか」を考える必要があります。
山倉:何かを覚えようとするときは、「覚えることによって、何を成したいか」「どんなことがやりたいか」を明確にしてから取り組むことが必要ですね。
宮内:やりたいことを分析してみてください。よくトヨタで「 なぜなぜ5回」と言われます。「これがやりたい」と思ってもそれで、思考を止めてしまってはダメ。そこからさらに「なぜ」を繰り返して、目的を明確にしていくことが大事です。
「本は絶対に全部読んではいけません。」
山倉:宮口先生の読書法の本にも、「まず目的を明確にしてから本を読みなさい」という内容がありましたね。
宮口:そうですね。 本は絶対に全部読んではいけません。全部読んでしまうと、結局何が知りたかったのか分からなくてなってしまいます。「どんな問題が解決したいか」を必ず明確にして、解決法を知るために本を読むんですね。本の一部分を読むんです。それも複数の本を読むことがいいですね。
東大トップレベルの問題解決の4ステップ
山倉:記憶術を駆使してビジネスで成功できる人、難しい大学に合格できる人もいます。一方で上手く扱えない方もいるとお聞きました。「できる人」「できない人」の違いは何でしょうか。
宮口:それは「明確な目標を常にイメージできるかどうか」の違いですね。例えば、個別指導の時に「あなたが人生でやりたいことは何ですか?」と聞きます。
その時に「自分がこんな高い目標を言ったら、恥ずかしいな」「どうせ自分にはできないから、難しい目標は言わないでおこう」とは、絶対思わないでほしいですね。
「自分が心からやりたいことは何だろう」と考えます。やりたいと思うことが見つかったら、そこで思考を止めずに「どうしてそれをやりたいのか」と考える。それが明確になると、楽にその目標が実現できるようになります。
—-目標を明確にしたら、できない理由を列挙する
宮口:目標を明確にできたら、次はそれを実現できない理由を列挙して欲しいんですね。「努力が足りない」「頭が悪い」「お金がない」など出来ない理由を挙げてください。すごく消極的になって、できない理由だけを考える時間にして欲しいんですね 。半日ぐらい。
—-できない理由と解決策を一緒に考えると、いつまでも堂々巡り
宮口:その次のステップは翌日に「それぞれの解決できない理由を解決する方法・ソリューションを考える」こと。ほとんど人はできない理由と、解決するための方法を一緒に考えてしまうからうまくいかないのです。
—-上手くいかないのは当たり前。大事なのはそのあと。
宮口:そして解決策を考えた後は、それを行動計画にまとめます。実際に取り組んでみると、最初は絶対にうまくいかないですよ。その時には「上手くいかないことは悪いこと」と考えるのではなく、「どうして上手くいかないか」に注目して欲しいんです。大抵の場合は簡単なことを改善することで、うまくいくようになります。
「①目的、②障害、③ソリューション、④計画」を同時に考えてしまうので、上手くいかないんです。そうすると人間は良い答えに辿り着けない。その結果、何が生まれるかと言うと「不安」なんですね。
山倉:その4ステップを切り分けて考えることで問題解決していくんですね。
孫正義社長と我々の1番の違いは何か?
(参照:https://president.jp/articles/-/20498)
宮口:先程、「孫さんの元で働いていた」とお話ししましたが、孫さんがスーパースターかと言うと全然違います。普通の人との1番の違いは「非常識な目標設定をする」ということです。
孫さんの本にも書いてありますが、お会いした当時、「私の会社は豆腐屋と同じです。売上を1丁、2丁(1兆、2兆)と数える会社にしていきます。」と話していました。
その当時は売上が100億円くらいだったと思います。さすがに「兆」は難しいだろうと私は思いました。きっと上手くいっても3000億円ぐらいだろうと思っていましたが、今では経常利益が1兆円を越していますよね。
山倉:それを実現できたのは、「そもそも非常識な目標を立てていたから」ということなんですね。
宮口:でも実際には、立てた目標の全てが実現しているわけではないですよね。普通は目標を実現できなかった時に「自分はダメだなぁ」と感じてしまいがちです。でも孫さんは「自分はダメだな」とは思わない。「やり方を間違えている」と考えるんですね。「それなら、やり方を改善すればいいでしょ」と考えるわけです。
例えば「1日50個 英単語覚える」という目標設定した時に、「30個しか覚えられなかった」とする。その時「ダメだな」と思うんではなく、「じゃあ30個覚えるようにしよう」と考えればいいわけです。
50個を覚えようと思って、できなくて挫折してやめてしまうより、毎日30個覚え続けるほうがいい。それを続けていけば、いつの間にか、たくさんの単語を覚えています。
—-無限に努力する必要はない。ゴールを見据えて取り組むこと。
宮口:成功するための準備には切りがあります。無限にやらなくてもいいんですよね。だからまず、やる前に「どれくらいやったら上手くいくのか」を知っておく必要があります。
山倉:「どれだけやれば、どんな成果が出るか」を前持って把握しておくべきですね。
宮口:途中でやめなければ、必ず達成します。
山倉:ゴールがわからないまま走り出すのはかなり苦しいです。でも、ゴールが分かっていれば、それに向かって走り続けることができますね。
実態のない不安を勝手に大きくしてしまう
宮口:私の教えている生徒さんで、小学校5年生の時に通った塾が合わずに悩んでいる方がいました。その生徒さんは、きっかけがあってアメリカのサマーキャンプに参加したところ、アメリカの学びがすごく相性が良かった。考えた末、そのまま留学することになりました。
その一方で、ある生徒さんは「夜寝るのが遅くなってしまい、朝起きて勉強できない」という悩みを抱えてご相談に来られました。
一方は留学することを考えている生徒さん。一方は朝起きられないという悩みを抱えている生徒さん。ここで大事なことは、お2人が抱える悩みの大きさは一緒ということです。
一見留学することの方が、大きな悩みやテーマだと見えてしまいますが、本人たちの中ではどちらも同じように自分にとってとても重要な事柄なんです。
指導していても感じますし、自分自身にもそれを感じますが、人というのはありもしない悩みや不安を勝手に大きくしてしまいます。
山倉:その漠然とした不安を1つずつ整理する。そのあとで解決策を考え、行動に落とし込んでいくことで、問題が解決できるようになるんですね。
宮口:先ほどのステップをもう少し分解すると、
1、目標を明確にする
2、障害を明確にする
3、解決するためのソリューションを個別に考える
4、計画を練る
5、実行する(うまくいかないのが当たり前)
6、どうしてうまくいかないか考える
7、行動パターンを最適化する
となります。もし問題があったとしたら、切り分けて考える。切り分けるというのは、「解決できる問題」と「解決できない問題」を区別すること。そのように考えると解決できない問題は少ないですよ。1つずつ明確にすることが大事です。
—-できないことから目を逸らしてはいけない
宮口:そして失敗を受け入れること。以前、「レコーディングダイエット」というものが流行りました。 毎日体重計に乗るだけで痩せられるというもの。売上の上がらない経営者の方や、受験生を見てみると、自分の売上・成績を毎日見ていないんですよ。
山倉:うまくいかなかったことと向き合い、それを改善するための取り組みが必要ですね。
宮口: 受験生の場合は、苦手科目を勉強して点数を上げる方が簡単です。しかし社会人の場合は、自分の得意分野を伸ばすことに集中するべきですね。受験の場合、やるべきことが決まっていますから、その範囲の中で楽に伸ばせることをやればいい。社会人の場合は、「得意分野を伸ばすことで、成果が出す」ということが成功に近づくための戦略になります。
お金をもらって人に教えることが、最高のアウトプット
山倉:先生の本の中に「記憶を定着するためには、アウトプットすることが有効だ」とありました。本を読んだ知識を定着させて成果につなげるためには、どのようなアウトプットすれば良いのでしょうか。
宮口:1番は「お金をもらって人に教える」ということです。 私は薬剤師の資格を持っていますが、薬剤師になろうと思ってはいなかったので、資格試験に対するモチベーションは上がりませんでした。どうしたかと言うと、「国家試験対策を教えて欲しい」という人がいたので、お金をいただいて教えることにしました。
お金を頂いている以上、質問されたことに「わかりません」と答えられないじゃないですか。その人の質問に答えるために一生懸命勉強していたら、それだけで合格することができました。
今、司法試験合格を目指している方の指導していますが、「今すぐオンラインの司法試験講座をやりなさい」と伝えています。ここで大事なことは有料で教えることです。 無料で教えてしまうと相手も質問してこないんですね。
—-人のふり見て我がふり直せ
宮口:もう1つ教えるメリットがあります。それは教えていると「何でそんなやり方をしているんだろう?」と教え子に感じることがありますが、よく考えてみると自分自身がそのやり方をしていたりします。教えることで 、自分自身に気づき、それを改善することができるようになります。
学習過程のノウハウを身につけることで、従業員教育に役立つ
宮口: 私は大学受験の全科目を指導していたり、医学部の学生の指導・司法試験対策などもしています。幅広い専門知識が必要になりますが、今ではどんな分野でも教えられるノウハウが身につきました。つまりそれは「学習過程のノウハウが身についた」ということです。
これが身につくと、従業員教育にとても役に立ちます。大体会社の社長さんというのは、やる気もあって能力も高いです。そうなるのは「社長」という立場にいらっしゃるから。従業員の方はそうではありません。
好きなことにがむしゃらに取り組んできた社長のやり方で「頑張れ!根性でできるようになる!」と伝えても、絶対に仕事を覚えてもらえない。いかに効率良く、戦略的に教育をしていくかを考える必要があります。
山倉:確かに従業員の方は、社長と立場やモチベーションが全く違いますよね。社長のやり方を押し付けられても苦しいばかりだと思います。
宮口:「従業員立場になって、いかに少ない負荷で効率良く、任せたことを仕事をできるようになるか」を企業研修の場や、社長へのアドバイスとして伝えています。従業員教育の方法は先ほど挙げたように、「問題を切り分けて考える」ことがベースになりますね。
自分に条件をつけてはいけない
山倉: 最後に宮口先生からメッセージをお願いします。
宮口:1番伝えたいことは、「何かをやろうと思った時に自分に条件をつけてはいけない」ということ。人間には限界がありません。とにかく自分の心の中を分析して 、「どうして今の仕事やりたいと思ったか」を考えて、自分の心が燃えるスタイルを作って欲しいと思います。
そして世の中は、図々しく生きた方が勝ちです。 孫さんは良い意味で、ものすごく鈍感です。信じられないくらい。自分が人生で失敗するとはこれっぽっちも思っていない。
私が今まで会ってきたすごい人たちは、失敗しても「自分には能力がない」という考え方はしない。ただ「やり方を間違えている」と。やり方が悪いから、改善すればうまくいくはず。 もし自分でできなければ、できる人雇ってしまえばいい。そんな風に考えています。
自分を責めてしまうと不安になるんですね。不安になると思考力が圧倒的に落ちてしまって、同じところをグルグルと回ってしまうことになります。やり方を変えて、進む方向を切り替える。そうすることで、負のスパイラルから抜け出すことができるようになります。
宮口公寿さん プロフィール
宮口 公寿
宮口式記憶術講師
株式会社フューチャーワークス代表
【プロフィール・実績】
刀鍛冶屋という特殊な家庭に生まれ、オイルショックを皮切りに経済状況が悪化し、そこから自らの人生を切り拓くため偏差値41から東京大学合格。その夢を叶えてくれた「記憶術」というメソッド。現在、自らが改良した「宮口式記憶術」を主に暗記学習に悩む受験生へ指導している。これまで8000人以上の受験生が宮口式記憶術を実践。記憶術講師という立場から夢の叶え方を伝えている。
1979年 東京大学理科二類入学
1981年 東京大学薬学部進学
1982年 宮口式記憶術を体系化
1983年 東京大学薬学部卒業東京大学薬学系研究科修士課程入学学術論文を発表、学会発表(日本薬学会等
1984年 東京大学薬学系研究科修士課程卒業、三共株式会社(現、第一三共)入社 分析代謝研究所へ配属精力的に学術論文を発表、学会発表多数(日本薬学会等)
1989年 三共株式会社 退社株式会社フューチャーワークスを設立、現在に至る株式会社フューチャーワークス代表取締役 システム開発、コンサルティングに従事
2008年 宮口式記憶術の指導活動を開始 2009年宮口式記憶術で人生の黄金時代創る塾「黄金塾」を創立
【メディア】
書籍
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インタビューを終えて
山倉:「1晩で1冊の本が覚えられるようになる」。宮口先生に会うまでは、とても信じられない話でした。ですが実際に宮口先生の書籍を読み、実際に先生にお会いして事実なのだと確信しました。先生の自身の成果や、指導された方々の圧倒的な実績。宮口先生のおっしゃる通り「人間には限界がない。」ということを改めて認識することができました。温かなお人柄と、圧倒的な知識はインタビュー中も、とても安心感を与えてくださいました。